結果は良好
AF62Dioをボアアップして乗ってみた結果、出足が良くなりキビキビ走れる様になりました。
今時、50ccのバイクをボアアップして乗るなんてどうかな?とも思っていましたが結果は良好でした。
ボアアップ前の考察については前の記事をご覧ください。
【再考】AF61Today-AF62Dioのボアアップの前に
それでもやってみようと思う方はご覧ください。
AF61-62ボアアップ手順
まずAF61TodayとAF62Dioは外装が違うだけで中身は同じ兄弟車。エンジンも全く同じですのでTodayの方もご覧ください。
ボアアップキットの購入
現在購入できるのは76ccのボアアップキットです。Amazonや楽天やヤフーショッピングで購入できます。
今回使ったキットはこちらです。加工精度も良かったですし問題なく走れています。
もうちょっと安価な物も出て来ますが私はこちらを使わせてもらいました。
以前はキタコ等からもうちょっと大きい排気量で出たいたのですが、今は76㏄のキットしか購入できません。しかもAF61-62のキャブレター仕様のTodayとDio用です。インジェクション仕様には対応していません。
外装バラシ
まずはDioの外装をバラします。
・シート外し
最初にシートを外します。シートを開けると6本のネジで止まっていますのでネジを外して上に引き抜くとシートがスポッと外れます。
・トリムクリップ外し
外装はトリムクリップで止まっていますので、トリムクリップを端から外して行きます。
トリムクリップは真ん中をドライバー等で押し込むと外すことが出来ます。押し込んでから手前に引き抜きます。
・ステップボード外し
ステップボードは4本のネジで止まっています。また、バッテリーも取り外してステップボードごと取り外してしまわないと作業ができません。
この状態まで外しましょう。
※エンジンを下ろしてから作業する方法もありますが、ここまで外せばボアアップ作業は行えます。
オフロード耐久レースに使えるか?
ここで一休みしてオフロード耐久レースに使えるかどうか?フレームを見てみましょう。
・AF61TodayとAF62Dioは太いフレームが真ん中に一本通っているだけです。
AF27-28スーパーディオの様にダブルアンダーボーンではありません。
オフロード耐久レースでジャンプしたり、ギャップでガツンとやると間違いなく捻じれてしまうか折れてしまうでしょう。
このフレームはダメですね。無難にオンロードだけ。通勤快速として使いましょう。
※そもそもスーパーディオだってオフロード耐久レースに使うなんてメーカーの想定外です(笑)
エンジンバラシ
では、ここからエンジンをバラシて行きます。
・マフラーの取り外し
シリンダーの排気出口の所の2本と、冷却口付近の二本のネジを取り外すだけでマフラーは外れます。
・インテークマニホールド外し
マニを外して紐で吊っておきます。
・冷却カバーを外します
エンジンを覆っているプラスチックのカバーを外します。カバーは上下に分割出来るタイプです。
・ヘッドカバーを外します
ヘッドカバーは2本のネジで止まっていますのでネジを外してからプラハンマーで軽くたたくと外れます。
・圧縮上死点
冷却ファンを回して圧縮上死点を出しておきます。三角の谷の部分にTの字が来るまで回します。
・カムチェーンギヤを外します
圧縮上死点を出してからカムチェーンギヤの位置を確認します。数字が書いてあって1が下2が上になっている筈です。キットを組んでから同じ位置にして組み直さないとバルブのタイミングがおかしくなってしまいますので注意です。
カムチェーンギヤ(スプロケット)はネジ二本で止まっていますのでネジを外して外側に引っ張るとギヤがカムから外れます。
・カムを外します
カムが固定されているネット4本を外します。
ナットが外れたらカムを上に引き抜きます。
ノックピンが二本刺さっています。手前のパイプです。これを無くさない様にしましょう。また、刺さっている位置も大事です。
・シリンダーを外します。
シリンダー横に2本のネジがあります。これを外してから上に引き抜きます。
・カムチェーンテンショナーを外します。
写真が無いのですが、インテークマニホールドの左下にある奴です。ボルト二本を外して引き抜きます。
外れにくい場合はプラハンマーで軽く叩いてください。シリンダーが動いたら上に引き抜きます。
大きな穴が開いていますが、この穴の所にカムチェーンテンショナーが入っていました。
問題発生 フレームが当たってシリンダーが抜けない(笑)
何と、シリンダーがフレームに当たってしまうのです。そこで、センタースタンドを外してリヤタイヤを設置させます。するとエンジンが若干下を向くのでシリンダーが抜ける様になります。
車体を倒れない様につっかえ棒をするか、誰かに手伝ってもらうと良いでしょう。
・ピストンを外します。
エンジン内に異物を落とさない様にウエスを詰めてから作業しましょう。
クリップを外してからピストンピンを押し出します。
50ccのピストンの小さい事。でも、こんな小さなピストンでも大人が乗ってちゃんと走れるだけのパワーがあるのです。大したもんです。
・ベースガスケット剥がし
今回も盛大にベースガスケットが張り付いています。これを綺麗に剥がさないといけません。
ゴミが入らない様にウエスをしっかり詰め込んでから行いましょう。
カッターやスクレーパーなどを使って剥がします。時々パーツクリーナーを吹いてふやかすと良いでしょう。
なるべく傷をつけない様にしますが、どうしてもついてしまいます。
1000番位の耐水ペーパーで表面を整えておきましょう。
・新しいピストンの用意
私は2ストロークエンジンの加工やボアアップを何台か行いましたが、スタットボルトの位置で抱き付きを起こすのです。
そこでピストンにオイルだまりを作って抱き付が起きにくい様にしているのですが、4ストエンジンのピストンにもオイルだまりを作ってみました。大きなお世話だったでしょうか?
ピストンの側面にあるくぼみがオイルだまりです。
では、76㏄のピストンにリングをはめます。エンジンオイルをたっぷり塗って滑りを良くしてからはめましょう。
私はこんな順番ではめました。
1・セカンドリング(真ん中の溝にハマる)外周が茶色のタイプ。刻印が上向き。(リングの切り欠き部分に小さな文字が書いてあります。これが刻印です。)
2・トップリング(上の溝にハマる)外周が銀色の奴。刻印が上向き。
3・オイルリング
これはピストンの下の方から入れました。まず薄いリングを一本入れてからギザギザを入れます。もう一本の薄いリングでギザギザを挟む様にして完了です。
リングの切り欠き部分が同じ位置に来ない様にズラしておきましょう。だいたい120度間隔位でズラしておけば大丈夫です。ホントに大体でOKです。
ボアアップキットの組付け
ピストンが用意出来たら組付けるのですが、このバイクのコンロッドの頭にはニードルベアリングが必要無いのですね。AF272-28スーパーディオにはニードルベアリングが付いているのですがAF62のエンジンには無いのです。
これで良いんだね。コストダウン?耐久性はどうなんだろう。
・新しいピストンを取り付けます。
ピストンの向きに注意しましょう。インテーク側にはINと書いてあります。間違えるとバルブが接触して破損してしまいます。
あらかじめピストンの左側にクリップをはめておきます。
たっぷりエンジンオイルを付けてからピストンピンを押し込みます。
無理な力を加えない様に、必ず指で押し込みます。しっかり刺さったら最後はドライバーなどで奥まで押し込んでください。
クリップをはめて切り欠き部分をずらしておきます。
こんな感じでクリップを回しておけばOKです。
・ベースガスケットを取り付けます。
ベースガスケットは厚手の物と薄手の物の二枚が付属しています。今回使うのは厚手のベースガスケットです。
このボアアップキットはシリンダーヘッドは純正ノーマルをそのまま使うタイプです。76㏄でシリンダーが太くなってもヘッドはそのままです。燃焼室はそのまんまということです。
つまり、もの凄い高圧縮になるはずです。せめてベースガスケットを厚くして少しでも圧縮を落としてあげないとエンジンが壊れてしまうでしょう。
厚手のベースガスケットを使った方が無難です。
・シリンダーにエンジンオイルをたっぷり塗ります。
とにかくエンジンオイルをたっぷり塗ってから組付ける様にしましょう。
・シリンダーを組付けます。
最初にノックピンがちゃんと付いているか?位置は正しいか確認します。シリンダーを外した時に位置を確認しておきましょう。
ゆっくり差し込みながらピストンを通します。ピストンリングはアイスクリームの棒で押して縮めてあげれば入りやすいです。
ちなみにシャトレーゼのチョコバッキーの棒です(笑)甘過ぎないから私の大好物です。
※カムチェーンガイドの入れ忘れに注意してください。
・シリンダーヘッドの取り付け
ちなみに少しカーボンが付いていましたのできれいにしましょう。バルブや燃焼室が真っ黒ですね。
クレのエンジンコンディショナー泡タイプを吹いてからしばらく放置しておいて拭き上げるだけです。
安価なのに強力なので愛用しています。
某有名メーカーのは三倍くらいの値段がします。
はい、綺麗になりました。
ここにもノックピンが入りますので注意しましょう。
・カムの取り付け
次はカムを取り付けます。ここは大事な所ですのでトルクレンチを使ってください。
私はデジタルトルクレンチを使っています。締め付けトルクは16N・mになります。
※トルクレンチはあった方が良いです。なぜなら大抵の場合は締め付け過ぎになってしまうのです。それと均等に締め付けが出来ていないのです。
・カムチェーンギヤの取り付け
まず、もう一度「圧縮上死点」が出ているか確認しておきましょう。
圧縮上死点が出ている状態でギヤのケガキ線(スジ)がヘッドのラインと水平になる様にします。
ギヤに番号が書いてありますので1が下で2が上になります。
これをちゃんとやってないとエンジンがかかりません。最悪はバルブがピストンにぶち当たって壊れてしまいます。
締め付けトルクは9N・mですが、トルクレンチがうまく使えないため感で締め付けましょう。
この後、ゆっくりキックを下ろして干渉しないか確認してみましょう。
・シリンダー横のボルト二本を締め付けます。締め付けトルクは12N・mです
・バルブクリアランスの調整
エンジンをバラス前にカチカチ音がしていた場合は、ここでバルブクリアランスを調整しておきましょう。私のDioは音がしていなかったため、そのまま取り付けています。
ゲージが無い場合は難しいのですが、カムを動かしてみて僅かに隙間がある程度にしておけば大丈夫なはずです。
・ヘッドカバーを取り付けます。
この時、ヘッドカバーのゴムのガスケットが汚れていたら綺麗にしてから取り付けましょう。
締め付けトルクは12N・mです。
・エンジン冷却用のプラスチックカバーを戻します。
・マフラーを取り付けます。
・残っている燃料を抜きます。
タンクに残っているガソリンとキャブレターのフロート室に残っているガソリンも抜きます。
※高圧縮になっているのでハイオクガソリンを使うためです。レギュラーガソリンは完全に抜いてください。
・インテークマニホールドを取り付けます。
無理に上に吊って作業していたので各ホースが抜けていないか確認しましょう。
・ハイオクガソリンを補給
燃料はハイオクガソリンを使ってください。圧縮圧が結構高いですのでレギュラーガソリンだと異常燃焼が起きてエンジンが壊れると思います。
プラグホールの位置が悪くて圧縮計を入れられないのですが、キックを下ろしてみた感じでわかります。分厚いベースガスケットを入れても圧縮は高いです。
あと、カーボン噛みが起こる事で有名なエンジンです。若干の洗浄作用もあるハイオクガソリンを入れておくことでカーボン噛みのリスクが減らせるのではないかと考えます。
ここまで来ればエンジンの始動が出来るはずです。
バッテリーを取り付けてからやってみましょう。
その前に、電気接点にはクレのコンタクトスプレーをお忘れなく。
接点復活剤の事です。古いバイクの修理時には必須です。
エンジン始動
いよいよエンジンを始動してみます。
キックを2~3発で初爆が来ました!
セルを回してみると、圧縮が高いので「やっとこさ」という感じでしたが回ります。
そして無事にエンジンが始動できました。
いつものアルアルなのですが、新品のシリンダーとピストンを組んだ直後なのでアイドリングしません。ちょっとアクセルを開け気味でアイドリングを保つか、アイドリングスクリューを回してアイドリングが保てるようにしてしばらく放置します。
10分も経てばある程度馴染む様です。アイドリングスクリューを戻します。
試走とまとめ
まだ組んだばかりなのでアクセルをガバガバ開けるわけにはいきませんが、逸る気持ちを抑えつつ走り出してみます。
するとどうでしょう。低速域でかなり力強さが増しています。走り出しが全然違います。
50㏄の時にはやっとこって感じだった坂もグイグイ前に出て行きます。
走行途中からアクセルをクイッと開けた時にもレスポンス良く付いてきます。
全体的にモッサリ感いっぱいだったAF62Dioですが、キビキビ走れる様になりました。
※どの位「ドンくさいスクーター」だったんだ?って感じですが、はっきり変化を感じられます。
面倒くさい作業でしたが行って良かったと思えます。
今後の展開
せっかくここまでバラシたので、いろいろ行ってからにしたいと思っています。
・エンジンオイルの交換(ベルハンマーゴールドを添加したスペシャルオイル)
スペシャルエンジンオイルに交換してから慣らし運転を開始します。
・フレームの錆止め塗装
特に下回りをシャーシーガードブラックで塗装して、内部は錆止めスプレーで処理します。
・フロントブレーキディスク化
AF28スーパーディオが手元にあるので、フロント周りを移植してディスクブレーキ化を行います。大きなお世話のコンビブレーキとはおさらばする上に、制動力アップとカッコよさがプラスされる予定です。
・外装全塗装
何色にするかまだ決めていませんが、おばちゃんっぽいシルバーからザクカラー(軍用カラーのオリーブドラブ)にするか?渋くガンメタルにするか?検討中です。
・ヘッドライトLED化
黄色っぽい光から今風の白い光に変更したいと思っています。
・タイヤ交換
ダンロップのD307ってところでしょうか。90/90-10に変更したいと思います。
・ハイスピードプーリー
キタコのハイスピードプーリーに交換してあと5㎞/hの最高速アップを図りたいと思います。ハイギヤまでは考えていません。
ボアアップの結果が良かったのでいろいろやりたい事が出来てしまいました。
経過は順次アップしたいと思います。
今回使った用品はこちらです。
まずはボアアップキットですがこちらです。もっと安価な物もある様ですが、加工制度の心配があります。
デジタルトルクレンチはあった方が良いです。大抵は締め付け過ぎになってしまいます。
安価で洗浄力は強力です。カーボンが溜まっているエンジンのプラグホールから入れてしばらく放置しておけばある程度綺麗に出来ます。
古いバイクの電気系統にはこちら。接続部分に吹いておきましょう。
次はスペシャルエンジンオイルの調合と交換方法について書いてみようと思います。
動画版も作りましたので良かったらご覧ください。

















































